1999年9月 4日

第2話「トゥハートチーム集結! 悪のドラゴン軍団!」A

 橋本博士自慢のトゥハート軍団は、その圧倒的な力を見せつけた。  自衛隊にも出動要請がかかったが、戦力の差は火を見るよりも明らかであっ た。  トゥハートロボにはトゥハートロボ。  新型トゥハートロボはまだテスト中であったため、初代トゥハートロボの参 戦が検討された。  そして、トゥハートロボをもっともうまく扱える者として、『彼』の名があ がった……。 =================================== 真(チェンジ!!)トゥハートロボ 第2話「トゥハートチーム集結! 悪のドラゴン軍団!」 ※この作品は、リーフ製コンピューターゲーム「To Heart」およびバンダイビ ジュアル製オリジナルビデオアニメ「真ゲッターロボ」のパロディです =================================== 「どういうことなの! あたしたちを降ろすなんて!」 「今は、一機でも多くの戦力が必要なはずです!」 「いくらポンコツでも、無いよりマシでしょう!」  橋本博士の宣戦布告から一夜明けたその夕方。  来栖川綾香、松原葵、坂下好江の新トゥハートチームの3人は、突然の待機 命令に憤った。 「しゃあないやろ! 上からの命令なんや!」  出撃前の整備が行われているトゥハート1の前で、智子は3人を一喝した。 「もうパイロットは決まっとるんや!」 「なんですって! ま、まさか!」 「まさか、あいつを再びトゥハートロボに乗せるというのか!」  智子は複雑そうな顔をして答えた。 「そう、そのまさかや……」 「そ、そんな! ひどすぎます! 先輩は、先輩は、絶対に人殺しなんてして いません! それなのに!」 「わかっとる!」  智子の声に、興奮して叫んでいた葵は我に返った。 「わたしかて、あいつがやったとは思うてない。けどな、やってないっちゅう 証拠がない以上、これ意外にあいつが自由になる方法はないんや……。いくら 仮釈放でも、刑務所よりはマシやろ……」 「しかし、いくらほかに方法がなかったと言っても、永久囚人を使うとは」 「それも仮釈放が条件とはいえ、橋本博士を殺した本人に、もう一度殺させよ うっていうんだからな」  先日怪我をした雅史が入院しているKSSの医療施設から、トゥハート1の 出撃準備の様子が見えていた。  その様子を見ながら、ふたりのエージェントが話している。  到着したヘリから『彼』が降りてきた。  『彼』はマフラーを覆面のように頭に巻き付けており、顔は見えなかった。 だが、その眼光は異常に鋭かった。  巨大な赤鬼を思わせる姿のトゥハート1。その頭部に、コクピットはあった。  リフトが『彼』をトゥハート1のコクピットまで持ち上げていく。 「まあ、ヤツならやってくれるだろう」 「ああ……。元トゥハートチームリーダー『藤田浩之』ならば!」  浩之は顔に巻いていたマフラーを投げ捨て、トゥハート1のコクピットに乗 り込んだ。 「トゥハートッ・ウィーーーーーングッッッッッ!!」  トゥハート1の背中にマントが現れると、一気に上空へと飛び立った。  浩之は現場に向けて、トゥハート1を飛ばせた。 「なんだって! 浩之が出動した!」  トゥハート1が飛び立つ爆音で目を覚ました雅史は、そばにいたエージェン トの一人に掴みかかろうとしたが、傷の痛みにうめいた。 「無理をするんじゃない。なあに、あいつにまかせておけば大丈夫さ。きっと 橋本の首を持って帰るに……」 「そうじゃない! 今の浩之に戦わせたりしたら、今度こそ間違いを……!」  その時、病室の入り口から、カシャンという音がした。一同がそちらを向く と、そこにはあかりが立っていた。あかりの足元には水差しが倒れ、中に入っ ていた水が床に広がっていく。 「あかりちゃん……」 「今の…… 本当……? 浩之ちゃんが…… 出動したって……」  雅史は何も答えられなかった。  あかりは振り向くと、廊下を駆けだした。しかし、すぐに一人の女性が待ち かまえているのに気付き、足を止めた。 「あ!」 「ハァイ、あかり、ひさしぶり!」 「すべてが今、始まりました」 「…………」 「そうですね……。これから人類が迎えるのは、明日という名の希望なのか」 「…………」 「それとも、破壊という名の絶望なのか……」 「…………」 「それは、神のみぞ知ること……」 「だが、報いは受けなければならん! そう、その本質がなんであるか知ろう ともせず、無限のエネルギー・トゥハート線をもてあそぼうとしたおろかな者 どもよ! さあ、世界最後の夜明けに懺悔せよ! ウワーッハッハッハ!!」  研究所の屋上で、橋本は大きく笑っていた。 「うるせぇ!! それはてめえのやるこったぁ!!」 「なにっ!」  上空から浩之の操縦するトゥハート1が、橋本が操るトゥハートドラゴンが 埋めつくす現場に降り立った。 「藤田!」 「ひさしぶりだなぁ、橋本ぉ! どうやって生き返ったのか知らねぇが、この おれが引導を渡してやるぜ!」  浩之の叫びと共にトゥハート1の両腕にハンドガンが現れ、浩之はそれを撃 ちまくった。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」  トゥハート1を取り巻いていたトゥハートドラゴンが、次々と砕け散ってい く。 「やめんか!」 「むっ!」  浩之は橋本の方を向いた。 「それ以上はお前のためにならん! だがな、ここはよく来たとほめておこう か。この裏切り者め!」 「だまれぇ! てめえがトゥハート線を利用して何を企んでいるのか、おれは 忘れちゃいねぇ! それに、てめえはどのみち死ななきゃならねぇんだ。それ なら、今度こそ、このおれの手で!」 「……理緒の時も、そう言ったのか?」 「! だ、だまれえぇぇぇぇッ!」  トゥハート1が走り、パンチで目前のトゥハートドラゴンの顔面を粉砕する。 さらに迫り来る別のトゥハートドラゴンを、トマホークで切り捨てた。 「トゥハートッ・ビイィィィィーーーーーームッ!!」  トゥハート1の腹から発射されるビームが、次々とトゥハートドラゴンをな ぎ倒して行った。 「さすがは元トゥハートリーダー。一筋縄ではいかんようだな」  橋本は椅子に座ると、そこに付いていたスイッチを押した。  トゥハート1が立つ足元の地面が、突如上空へと舞い上がった。それととも に、トゥハート1の体も空中へ打ち上げられる。 「なにっ!」  地面から飛び出したのは、無数の青い影であった。 「トゥハートライガー!」  空中で無数のトゥハートライガーに取りつかれ、トゥハート1は動けなくな った。 「とどめだ」  地上から上空のトゥハート1に向け、トゥハートポセイドンのストロングミ サイルが一斉に発射された。無数のストロングミサイルがトゥハート1を取り 囲んだトゥハートライガーのかたまりに当たり、爆発を起こす。 「やったか!」  爆発の煙の中から、3つの影が飛び出した。それは、トゥハート1が分離し た、3体のハートマシンであった。 「なめるなぁ!」  そのまま研究所上空へ昇ったハートマシンは、再びトゥハート1に合体する。 そして、トマホークを構えながら、橋本をめがけて飛び下りてきた。 「これで終わりだあッ!」 「藤田あッ!」  トマホークが橋本に向かって振り降ろされる。  しかし、刃が橋本に届く直前、緑色の光が橋本を覆った。その光がトマホー クをはじいていた。 「な、なにぃッ!」 「藤田よ、お前が今何をしているのか、わかっているのか! 今このおれを殺 せば、世界は終わりを迎えるのだぞ!」 「うるせぇ! この世がどうなろうと、知ったこっちゃねぇ! おれはただ、 おれ達仲間をバラバラにしたてめぇと、あとひとり、志保のヤツをこの手でブッ 殺せれば、それでいいんだからなぁ!」  浩之がそう叫んだその時。 『いけません! 浩之さん!』  浩之の心に、緑色の髪の少女の姿が写った。  緑色の光が強くなり、トゥハート1の体が吹き飛ばされる。コクピットの中 で、浩之は呆然としていた。 「なぜだ……。なぜおまえがそこにいる!」

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