2004年6月10日

ドクター中松と探偵ファイル

 探偵ファイルさんで、あのドクター中松氏のことが記事になっています。
 しかし、それがツッコミどころだらけというのは(笑)

 とりあえず簡単なところを紹介します。

=>今までの発明品の中で、思い出深い作品がありましたらその事を
=>それはもう全てですね。
=>今まで3218件(平成16年6月現在)の発明をしています。エジソンは1093件ですが、それ以上の3218件全てが思い出深いですね。

 はい、有名な数字のトリックですね。
 エジソンの1093件というのは米国特許件数で、発明件数ではないんですね。
 ドクター中松氏の特許件数は、1948年から91年までで193件
 それから十年ちょっとで3000件以上の特許を取ったとは信じられませんね。
 というか、ニュースになりますって(笑)
 エジソンの1093件は特許の数。中松氏の3218件は発明の数。
 まったく違うものを比べても意味はありません。

 でも、中松氏はウソは言っていません。

=>今まで3218件の発明をしています。エジソンは(特許件数が)1093件ですが、それ以上の(数になっている)3218件全てが思い出深いですね。

と言っているつもりなんでしょう。たぶん。
 単にちょっと省略しているだけですよね(笑)

 ドクター中松氏がフロッピーディスクを発明したというのもあやしいというのは、有名な話です。
 IBMがフロッピーディスクを生産販売したのが1972年
 中松氏がIBMとフロッピーディスク関連のパテント契約を結んだのが1977年
 契約よりも生産を先にしてしまうのはおかしいのでは?

 実は、中松氏の持っている特許は「ナカビソン」という「やわらかい媒体(紙)に磁気記録をする」という技術。
 つまり「紙製レコードのアイデア」にすぎず、フロッピーディスク自体を作ったわけではないのですね。
 IBMからすれば「特許に抵触するかもしれないから、とりあえず契約結んどけ」程度の認識だったと思われます。

 しかし、この程度のことは「トンデモ本の世界」に全部書かれているんだけどなぁ。
 探偵ファイルの方は誰も読まれていないんだろうか?

※参考文献:「トンデモ本の世界(文庫版)」と学会・宝島社

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